6月12日の都市環境委員会で述べた意見

杉並区議会に提出された「杉並区の公有地でのAV撮影禁止を求める陳情」について、6月12日の都市環境委員会で意見を述べ、唯一「採択」を主張しました。

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  陳情について意見を述べます。
AV撮影が行われたことは許し難いことであり、今回発覚したことは氷山の一角です。
私は、公有地であれどこであれ、「許可」の有無如何に関わらず、女性・子どもの性的搾取・商品化は絶対に認められません。
禁止事項をどのように具体化し、現場的に貫徹するかという問題以前に、まず、行政や議会として性の商品化や女性差別に対し断固たる政治姿勢を示すことではないでしょうか。

  私たちは毎日毎日、スマホやメディア、雑誌売り場など、あらゆる場面で「女性の商品化」を目にします。女性の身体が「売り物」とされ、「女性は性的に搾取してもよい」という差別・蔑視のイデオロギーに基づく現実が溢れています。アダルトビデオでは盗撮や痴漢・レイプなどの性犯罪・性暴力を再現するものも多く、これらがいわば「実質合法的」に蔓延り、それ自体が性犯罪・性暴力を助長し再生産しています。
あるデジタル性犯罪被害者支援団体に寄せられた相談内容では、「テレビの録画と聞いて野外撮影バスに乗り込んだら、性暴力を受けた。その時に撮影された映像が販売されている」「Twitterでモデル募集の書き込みを見て応募した。直接あったら性行為を強要され、撮影された。後にその映像がインターネットで販売されていた」など、アダルトビデオがいかに女性の尊厳を踏み躙っているかが告発されています。望まない撮影を強要され、被害を受ける過程が撮影された映像は世界中に出回り、女性たちはAV女優と呼ばれ、「エンターテインメント」として消費されています。女性に襲いかかる身体的・精神的なダメージは無視・抹殺されています。
また、内閣府の調査によれば、「異性から無理やりに性交された経験」が女性の7.6%。そのうち、小学校入学前や小学生の時の被害が13.4%を占めます。女性の100人に1人が中学校に上がるまでにレイプ被害に遭っているのです。しかし、レイプ被害を「誰にも相談できなかった」が67.9%。警察に連絡・相談したのはわずか3.7%で、ほとんどの性犯罪・性暴力は闇に葬られています。
私は、このような女性・子どもの性搾取・商品化に絶対反対であり、それらを根絶するためには、資本主義社会を打倒し、女性をはじめすべての人間が人間らしく生きられる社会を実現することが必要だと思います。女性たちが体を売らなければ生きられない現実は決して個人の問題・責任ではなく、その背景には、低賃金・非正規化・大学等の高すぎる学費・奨学金ローン等、労働者の貧困が女性の貧困に直結し、さらに女性の貧困が子どもの貧困に直結していることがあります。つまり、労働問題であり社会全体の問題です。  
私は、性の商品化・性暴力・差別・抑圧を絶えず生み出す社会のあり方そのものを問題とし、女性たち自身が社会変革の主体として声をあげ、自らの解放を闘いとることにこそ、唯一の解決の道があると思います。すべての女性たちに、ともに声をあげ、女性解放に立ちあがろうということを心から呼びかけるものです。陳情者をはじめ女性・子どもたち・住民の不安な声に杉並区として真摯に向き合うべきという思いから、陳情には採択を主張します。

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