第4回定例会で一般質問に立ちました。
イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区でのジェノサイド=大虐殺を徹底弾劾します。この100%不正義の大量虐殺行為と無縁な「政治」など存在しません。「中立」的立場もありません。昨年2月のロシアのウクライナ侵攻を「プーチンの蛮行許すな」と非難していた政治家の多くが今、イスラエルのガザ虐殺には目を瞑っています。ガザ虐殺を止められない「国際法」や「国際社会」とは一体何なのでしょうか。
イスラエル軍による攻撃で、11月13日時点で1万1240人が死亡し、うち4630人が子どもだったとガザの保健省は報告しています。イスラエル・ネタニヤフ政権は日夜にわたってガザを無差別空爆し、病院や学校、救急車や難民キャンプも攻撃しています。これが「自衛」の名の下に正当化されていいことなのでしょうか? しかし、米欧日の政府はそれを擁護し、支援し続けています。断じて許すことができません。
【質問①】イスラエルによるガザ地区での大虐殺行為について区長の見解を伺います。「イスラエルの自衛権」と称して1万人以上が虐殺されていることについて、区長の見解をお答えください。
そもそもイスラエルや米欧日帝国主義に、パレスチナ人民の「10・7蜂起」を「卑劣なテロ」などとして非難できる資格などまったくありません。シオニストとアメリカ帝国主義によって1948年に一方的に「イスラエル建国」が宣言されてから75年。パレスチナ人民は数百万人が難民とされ、生活、仕事、故郷、家族、人生のすべてを暴力的に奪われ続けてきました。「10・7蜂起」はこの侵略行為に対する積もりに積もった歴史的な怒りの爆発であり、民族解放を求める血叫びであり、シオニスト打倒-帝国主義打倒の闘いでした。パレスチナ人民の苦難に満ちた歴史と真剣に向き合うならば、「暴力の連鎖」や「宗教対立」などといったまやかしの構図で本質をごまかすのではなく、何よりも帝国主義とシオニストによる中東侵略・占領支配を終わらせるべく声を上げ、行動すべきです。
ガザ地区で進行している事態は、イスラエル軍によるジェノサイドであり「民族浄化」です。「新たな中東」をつくると宣言するイスラエル政府はパレスチナ自治区から人々を空爆・地上戦で叩き出し、それでも残る人々を「テロリスト」とみなして皆殺しにしようとしています。10月13日付のイスラエル諜報省の文書には「ガザ地区の民間人をエジプトのシナイ半島に移住させる」との計画が記されていたことが明らかになりました。イスラエルによってすでに監獄化されていたガザ地区の存在すら認めず、ガザ全体を消し去ろうというのです。
全世界が見ている中で、なぜジェノサイドがまかり通っているのか? それは、アメリカや日本をはじめG7の帝国主義が「イスラエルの自衛権」の名で公然と支援しているからです。11月7〜8日に都内で開かれたG7外相会合は、イスラエルの大虐殺を支持するアメリカを頭目とする帝国主義の極悪の戦争会議でした。ガザ市での大虐殺行為を一言も非難せず、会合後の記者会見でアメリカのブリンケン国務長官は「G7はイスラエルの自衛の権利と義務に対する確固たる支持を再確認した」と述べました。これこそが上川陽子外相が議長として取り仕切ったG7外相会合の最大の「成果」であり、日本政府はイスラエル軍の虐殺支持-パレスチナ人民圧殺の主体として登場したのです。
【質問②】上川陽子外相のイスラエル訪問やG7外相会合で、日本政府がイスラエルによる大虐殺行為を非難すらせず、「イスラエル国民との連帯」を公言したことについて、区長の見解を伺います。
米欧日の支配階級は吐き気のする偽善的姿勢で、「平和」や「人道」、「一時休戦」を語りながら、イスラエル軍のパレスチナ人民虐殺を支えています。帝国主義連中にとっては何万何十万のパレスチナ人民が虐殺されようが何の問題でもないのです。世の中とは何かを知る前に死に直面する子どもたち、目の前で子どもたちが殺されていく母親たち、苦しみの中にある人民には何の関心もないのです。これがアメリカ帝国主義が主導する「国際社会」の姿です。
バイデン大統領は10月19日、大統領執務室から米国民向けに演説し、ウクライナ支援に614億㌦、イスラエル支援に143億㌦、対中国の戦争予算に74億㌦など総額1059億㌦もの緊急予算を連邦議会に要請すると表明し、ウクライナとイスラエルを支援することは「賢い投資」と言い放ちました。ウクライナ・ゼレンスキー大統領も「イスラエルの自衛権支持」を表明し、ウクライナ戦争が帝国主義戦争であることを隠そうともしません。
日本も安倍政権以来、イスラエルとの間で「防衛技術協力」を推進し、無人機やF35戦闘機を始めとした先端軍事技術の共同開発・研究を進めてきました。今年3月に千葉県で開かれた武器見本市にはイスラエルの兵器メーカーが14社参加し、主要軍事企業「エルビット・システムズ」と、防衛省と多くの取引を行う伊藤忠グループ企業「伊藤忠アビエーション」などが契約しました。日本はイスラエルによるパレスチナ人民虐殺に深々と加担し、その手は血塗られています。
【質問③】首長として岸田政権に「イスラエルの虐殺に加担するな」と抗議すべきと思いますが、区長の見解を伺います。
世界各地でのイスラエル弾劾-パレスチナ連帯の行動は日増しに拡大しています。「人権」や「民主主義」を語ってイスラエルのジェノサイドを支持する米欧帝国主義への怒りが中東はじめ全世界で拡大しています。とりわけ、アメリカ帝国主義によって絶えず戦火にさらされてきた中東・北アフリカ諸国で抗議行動が巻き起こり、イギリスやドイツでもパレスチナ人民との連帯行動を禁圧する自国政府と対決して人々が集まり、ロンドンでの反戦デモは先週末には過去最大規模の30万人に拡大しています。フランスなどでもパレスチナ難民を先頭に数千人規模のデモが繰り返し闘われています。とりわけその先頭で青年・学生が、逮捕されても逮捕されても不屈に立ち上がっています。
パレスチナの労働組合は戦火の中から世界の労働組合に緊急要請を発し、イスラエルとの武器取引を停止させる行動を起こすよう呼びかけました。トルコやイタリア、ポーランド、ベルギーなど各国の労組が続々とパレスチナ連帯の声を上げ、「イスラエルを支援するな!」と訴え、自国政府や企業を弾劾しています。
まず何よりも、シオニストと帝国主義による侵略戦争を止めるために声を上げ、行動し、イスラエルを支援する自国政府と闘うことこそが帝国主義足下の労働者階級、自治体と議会に求められています。
日本の岸田首相は10月23日の臨時国会所信表明演説でペテン的に「減税」を叫びましたが、実際には「5年で43兆円」の大軍拡のための増税をしようとしています。そして改憲を「先送りのできない重要な課題だ」として、国会発議に向けた「改憲条文案の具体化」にも言及しました。憲法に自衛隊が明記されれば、杉並区が協力している自衛官募集業務も自治体の義務となり、戦争動員態勢に組み込まれていくことになります。
【質問④】9条改憲について、区長の見解を伺って質問を終わります。