ほらぐち勝利へ全力を 杉並区議選の焦点

自衛官募集業務は中止を

今回の統一地方選は、岸田政権の安保3文書の閣議決定後最初の選挙となります。果てしなく激化するウクライナ戦争、それと一体で進行する米日の中国侵略戦争の策動、南西諸島全域で進められるミサイル基地化、そして人々の生活を直撃し破壊する戦時下の大インフレ――。これほどの重大事態にもかかわらず、国会では論戦らしい論戦もなく大軍拡予算が「粛々と」成立しました。


だが、こうした中で、ほらぐちともこが「杉並から戦争とめよう」のスローガンを掲げ、岸田政権の軍事費2倍化に反対する署名運動や区内での数波にわたる反戦デモを取り組んできたことにより、今次杉並区議選は「どうやって戦争をとめるか」が一大争点へと押し上げられました。
野党勢力の総屈服・総転向を打ち破り、「戦争問題」を争点化したこと自体が決定的です。

とりわけ大問題となっているのが、杉並区による自衛官募集業務です。杉並区が2013年から満15歳の男子、満18歳・21歳の男女を抽出した名簿を作成し、実にこの10年間で7万2426人分の名簿を自衛隊に閲覧させてきた事実が、ほらぐちともこの議会での追及により明らかになりました。この業務は田中良前区長のもとで始まったものですが、日本共産党などが全力で応援する岸本聡子現区長のもとでも継続されており、しかも区は「法令に基づいてこれからも行う」と答弁しています。

自衛隊法には、自治体の首長が「政令で定めるところにより、自衛官及び自衛官候補生の募集に関する事務の一部を行う」とありますが、その「業務」の中身は入隊試験の告示や広報宣伝といったものに限られ、「報告又は資料の提出」については防衛大臣が首長に対して「求めることができる」とされているのみです。
自衛隊への名簿提供の法的義務など自治体には一切なく、求められても拒否できるのです。それにもかかわらず、杉並区はあえて自衛隊のために「対象者を抽出した名簿」を作成し(それだけでも自治体業務を圧迫する大仕事!)、閲覧させているのです。
自衛隊から突然ダイレクトメールを送りつけられた区民の間では、困惑や怒りの声が次々と上がっています。

ところが、この問題を区議会で徹底追及し、即刻やめるよう要求しているのはほらぐちともこだけです。日本共産党は「大軍拡反対」と言いながら区の自衛官募集業務については何ら問題にしようとしません。「有事の際には自衛隊を活用する」という立場であり、自衛隊強化のために区が個人情報を提供しても何ら反対する気はないのです。

児童館の廃止を許さない

日本共産党書記局長・小池晃は4月9日、統一地方選前半戦の惨敗の巻き返しをかけて杉並に乗り込み、「岸本区長が児童館の廃止計画の再検討を始めた」「全員当選で岸本区政の前進を」などと演説しました。
だが実際には、田中区政が始めた杉並区内の児童館の廃止は岸本現区長のもとでも平然と進められ、昨年12月には下高井戸児童館の廃止条例の可決が強行されました。
「区長が代わったのにどうして?」と悲嘆する地元住民の声が今年1月9日付東京新聞でも紹介されました。さらに阿佐谷南児童館の廃止も計画されており、残る児童館も職員の人員不足と非正規職化で過酷な状況を強いられている。
大宮・天沼・永福北の各保育園の民営化も決まっており、保育園調理用務職員の退職不補充と包括委託も打ち出されました。現業職場の包括委託は労働者の非正規職化・低賃金化をもたらし、労働組合を破壊する攻撃です。これも田中区政時代とまったく変わらず強行されようとしています。
事実上の「岸本与党」を自認する日本共産党は、こうした実態を隠して岸本区政を美化し、多くの区民の切実な訴えや抗議の声を無視抹殺して、あたかも岸本区長のおかげで区民の要求が実現しているかのように描いています。区民を愚弄(ぐろう)するペテンであり、絶対に許せません。

これに対し、「これ以上一つも児童館をつぶすな」「廃止した児童館を元に戻せ」「保育園民営化はただちに中止、すべて直営に戻せ」と一貫して主張しているのはほらぐちともこだけです。区政となれ合い、自治体の戦争動員も何ら問題にしないような議員が何人いようと、戦争をとめる力にも社会を変革する力にもなりません。
戦争絶対反対を貫き、誰が区長になろうとダメなものはダメだと徹底的に訴え、区民・労働者階級と共に非妥協的に闘う「1議席」こそが必要です。労働者階級の力でほらぐち区議再選を絶対にかちとりましょう。

4月12日夕刻、JR阿佐ケ谷駅南口でNAZEN東京が福島第一原発汚染水海洋放出閣議決定2周年弾劾の統一行動を取り組み、ほらぐちともこも合流して共に「汚染水放出絶対反対」を訴えました

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