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杉並区議会第3回定例会での一般質問

9月9日から杉並区議会第3回定例会が始まりました。私は9月11日に一般質問を行いました。以下、質問の要旨です。

【1】区長の政治姿勢について

8月28日、安倍晋三首相は“持病の潰瘍性大腸炎が再発した”として辞任を表明しました。コロナ禍での政権担当者の辞任は世界的に見ても初めてのことです。「森友・加計疑惑」や黒川検事長定年延長問題、「桜を見る会」などの安倍首相自身が関与した国家犯罪=権力犯罪が次々と明るみになり、さらに「アベノマスク」に代表されるようなコロナ感染対策への怒りにもとづく支持率急落で、安倍政権が悲願としてきた「2020年の新憲法施行」のもくろみは打ち砕かれました。
しかし、第二次安倍政権の7年8ヶ月を振り返れば、「アベノミクス」なる新自由主義的政策の徹底で「株価上昇=経済成長の虚構」をつくり出し、大企業・資本を最優先で救済する一方、労働者民衆の生活は徹底的に破壊されました。安倍首相は辞任会見で「雇用は改善した」と述べましたが、まったく噴飯ものです。実質賃金指数を見ればそれは明らかです。2012年平均が104.5、15年が100、そして今年前半期が93.4と、一貫して労働者の平均賃金は下がり続けているのです。これは安倍政権下での非正規労働者比率が2012年の35.2%から今年前半期には37.2%に上昇していることに示されており、正規労働者数が減らされ、非正規労働者が増大し、その結果賃金は押し下げられてきました。
他方で、法人税は減らされ、企業内部留保額は12年7~9月期の約273兆円から20年1~3月期には約471兆円に激増しました。つまり、「資本のための優遇政策」を集中的に行い、貧富の格差を拡大させたのが「アベノミクス」です。その上で安倍政権は、2014年と2019年に2度の消費増税を強行しました。そして、コロナ禍での“医療崩壊”危機に端的に示されたように、医療・介護・保育・教育・水道などの生きていく上で必須不可欠な公的部門の全面的な民営化・外注化・非正規職化が進みました。
「安倍政治の継承」を掲げる次期政権が、たとえどんなに耳障りのよい政策を掲げようとも、労働者民衆の生活をこれまで以上に悪化させ、自己責任だと切り捨てていくことは間違いなく、そこに未来はありません。社会のあり方が根底から問われる時代に入りました。今回はさまざまな観点から区長の政治姿勢について伺います。

(1)都立病院の独立行政法人化反対

小池百合子都知事は3月31日、都の公立・公社病院を2022年度内をめどに地方独立行政法人化する「新たな病院運営改革ビジョン」を発表しました。対象は都立8病院と都保健医療公社6病院で、都立・公社14病院と東京都がん検診センターを統合して、「地方独立行政法人東京都病院機構(仮称)」を設立するとしています。これにはコロナ感染者を受け入れて、必死の治療行為を続けている病院も含まれています。杉並区には都立・公立の病院はありませんが、都立病院独法化は決して他人事・無関係なことではありません。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、新型コロナウイルスの感染者数は全世界で3千万人に迫り、現在も拡大し続けています。この状況での小池都知事の独法化方針は、新型コロナを含む感染症対策をはじめとした公的医療を破壊する暴挙です。すでに独法化された国立病院機構では国からの交付金が大幅に削られ、不採算部門であるとして結核、小児救急、精神、救命救急、周産期母子などが廃止されました。感染症や災害対策では空きベッドを用意しておく必要があるが、それも営利を優先した病院では切り捨てられます。
 東京都に限らず、公立・公的病院はその地域にとって絶対に必要な施設です。都立病院は都民の命を守るために、へき地医療、高度救急や周産期医療、小児救急や精神科救急、感染症対策などあらゆる公的医療を担っています。
 独法化の狙いは、医療で金もうけをするための合理化と労組破壊です。都立病院では医療労働者の賃金をはじめ労働条件は条例で定められていますが、独法化で理事会(経営者)の決定で人員や賃金を減らすことが可能となり、労働条件の悪化がさらなる医療崩壊をもたらすことは明らかです。
 さらに、病床不足が深刻化する中で安倍政権は、今年度予算に、病床を1割以上削減する病院に出す補助金として総額84億円を組み込みました。21年度以降は消費税を財源にして、25年までに全国で20万床を削減するとしています。
そこでお尋ねします。安倍政権が進めてきた「公立440 病院の再編・統廃合」、さらに小池都知事による都立病院の独法化の決定は、コロナ感染症とギリギリのところで立ち向かってきた公的医療を破壊するものだと考えます。医療の民営化や統廃合について、ただちにストップすべきと考えますが区長の見解はいかがでしょうか?

(2)「働き方改革」と非正規雇用の拡大

 9月1日に総務省が発表した労働力調査によると、コロナ禍のもとで派遣労働者が7月、前年同月から16万人も減少していたことが分かりました。比較可能な2014年以降、過去最大の落ち込みです。3カ月ごとの派遣契約の更新時期と重なる6月末は、雇い止めが急増するのでは?との懸念の声がありましたが、それが現実に進行しています。
つい先日には2020年4~6月期のGDPは実質年率換算で28.1%も減少。1955年の統計開始以来最悪を記録しました。日本経済の景気後退は消費増税の影響で2019年10~12月期から始まっており、主要国の中では唯一、3四半期連続のマイナス成長となりました。このなかでかろうじて持ちこたえていた中小零細企業が倒産や廃業に追い込まれています。大企業でも「希望退職」という名の首切りが始まっています。すでにあった格差がコロナの影響をうけて今後将来にわたって広がっていくことに漠然とした不安が社会を覆っています。
この4月から〈1年雇用、試用期間1カ月、毎年試験か評価で振り落とす〉会計年度任用職員制度が導入されました。さらに保健所などで、コロナ下でのすさまじい人員不足に対し「非常事態だから」という口実で派遣労働者への切り替え、任期付き短時間職員の拡大などが進められています。コロナ危機で「官民比較が困難」として、人事院・人事委員会勧告(人勧)が出されるのは例年よりはるかに遅く10月末〜11月以降にずれ込むと言われています。
コロナ下で労働者の大量解雇・雇い止め、リストラと賃下げが日を追うごとに進む中で、公務員労働者に対する賃金引き下げ・団結破壊は、全労働者への賃金破壊・雇用破壊の一層の水路になります。このコロナ下で労働組合活動が制約を受ける中でも、東京23区職労で構成される特区連(4万人)の賃上げ要求署名は、昨年を500筆以上上回って集まっています。
「働き方改革」のもとで進められた非正規職化によって、コロナ禍でその矛盾が女性・青年をはじめ膨大な非正規労働者に襲いかかっていることについて、区長の見解を伺います。

(3)東京オリンピックは中止すべき

新型コロナウイルスの感染拡大により来年7月23日開幕に延期された2020年東京オリンピック・パラリンピックですが、コロナによる死者は全世界ですでに80万人を超え、中南米では、感染者100万人を突破したブラジルをはじめ、メキシコ、ペルー、チリなどでも感染が急拡大しており、貧困や衛生環境の悪さが事態に拍車をかけています。今や来年の開催など問題外であるにもかかわらず、政府と組織委員会はあくまでも開催を主張しています。
国際オリンピック委員会のジョン・コーツ副会長は9月7日、海外メディアの電話インタビューで、「来年に延期された東京五輪は新型コロナウイルス感染症のパンデミックに関係なく開催され、同感染症を『克服した大会』になるだろう」「東京五輪はコロナウイルス感染症を克服した大会となり、トンネルの終わりに見える一筋の明かりになるだろう」と述べたと報じられています。
  しかし、最近の世論調査によると、国内で来年の五輪開催を望んでいる人は4人に1人しかおらず、多くの人がさらなる延期か中止かのどちらかを支持しているという状況です。にもかかわらず、開催強行に固執する理由は、オリンピックが実際には選手やスポーツを愛する人々のためのものではなく、それがIOCと大企業に巨大な利権をもたらす「世界最大の商業イベント」だからです。このかんIOCの収入は増え続け、年間平均は1500億円超にも上ります。一方で選手は、IOCから受け取る資金は1円もなく、4年に一度の五輪から逆算した人生設計を求められ、国の代表として強烈なプレッシャーのもとでのプレーを余儀なくされます。五輪が選手たちを商品に、政治の道具にして踏みにじっているのです。そもそもコロナ禍で多くの選手は十分な練習もままならない状況にあります。一体どこが「アスリート・ファースト」なのでしょうか?
そもそも東京オリンピックは2011年の福島第一原発事故による環境汚染・放射能被害と今日まで続く被災地の人々の苦しみを覆い隠し、「復興」を演出するために、安倍政権が先頭に立って招致したものです。これまでに注ぎ込まれた予算は3兆円を超え、延期に伴う追加予算は数千億円規模と推測されています。東京五輪は今すぐ中止し、カネ・モノ・ヒトのすべてを医療体制の充実と労働者への補償に充填させるべきです。
 オリンピックをめぐっては2024年開催予定地のパリでも、コロナ禍において五輪予算を医療や教育、住宅や公共部門に振り向けるよう求める五輪反対署名運動が始まっています。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催について、区長の見解をお答え下さい。

(4)「敵基地攻撃能力の保有」について

  8月14日、米国務省のビリングスリー大統領特使が日本経済新聞のインタビューに答え、新型中距離ミサイルの日本への配備を考えていることを公式に認めました。日本が「敵基地攻撃能力」を保有することについても「価値のあるものだ」と支持しました。沖縄をはじめとする日本全土を核ミサイルの貯蔵庫に、そして核による先制攻撃の出撃拠点にするということであり、日本全土が米中軍事衝突の最前線に位置づけられることを意味します。絶対に反対です。
安倍首相は辞任までの間に国家安全保障会議を開き、敵基地攻撃能力の保有を推進することを公言していますが、「敵基地攻撃能力の保有」に対して区長はどのような見解をお持ちですか?

(5)議会でのヘイトスピーチ発言を許さない

1923の関東大震災から97年を迎えた9月1日、軍隊・警察・自警団ら日本人によって虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する式典が開かれました。追悼式典で主催者は、「大震災の際、流言飛語を信じた自警団や軍隊、警察により朝鮮人や中国人が虐殺された。この消しようのない事実を忘れさせようという動きがあるが、同じ過ちを繰り返させないためにも過去の事実から目を背けてはいけない」と述べました。小池都知事は就任の翌年から、歴代の都知事が送ってきた朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文送付を拒否しています。
このような排外主義を煽る政治の動きが杉並区議会でも起きています。佐々木千夏区議が議会内で「日本は侵略戦争をしていない」、「従軍慰安婦や創氏改名も強制していない」と発言。歴史のねじ曲げを許すことはできません。佐々木区議の度重なるヘイトスピーチ発言が地域の在日韓国・朝鮮人を傷つけ、恐怖を与えています。発言を取り消しても決して消えることはありません。とりわけ杉並には75年の歴史をもつ東京朝鮮第九初級学校があります。
佐々木区議の議会での「ヘイトスピーチ」発言について、区内外から発言の取消、謝罪等を求める陳情が多数提出されています。このような状況について区長はどのようにお考えなのか、見解をお答え下さい。

【2】新型コロナウイルス感染症対策について

経験したことのないコロナ感染症の蔓延とそれによる経済危機から区民の生活と命を守るのが区政の最優先課題と考えます。温暖化の中、マスクを手放せない生活を強いられていますが、阿佐ヶ谷けやき屋敷の緑は救いとなっています。貴重な緑は守るべきであり、自然破壊生活破壊の公共事業は見直し、そのための経費をコロナ対策に充てるべきという立場で以下、区内の感染状況と医療体制についてお尋ねします。
①陽性者の累計は?23区では何番目に多いか。
②区として分析している感染状況の傾向は?年齢や感染経路など。
③PCR検査について、現在の1日あたりの実施可能数とこれまでの検査実施合計数は?
④陽性者の療養先について入院、ホテル療養、自宅療養の割合は?
⑤区内4病院合計の、入院患者数と病床利用率の推移は?
⑥田中区長がおよそ23億円の区費を投入して減収補填を行った区内基幹4病院の一つである河北総合病院で職員のボーナスが削減されたという報道がありました。実際には前年は1.9ヶ月分だったボーナスが、1.6ヶ月分に減額されたそうです。私は第二回定例会の一般質問で「病院資本に幾ら金をつぎ込んでも、それがイコール医療従事者の支援につながるわけではない」と言いました。区長は答弁で「民間病院が経営危機に陥って経営破綻するような状況になったら、医療従事者を守ることはできない」「基幹4病院を経営的に支援するということ、これが医療従事者を守ることにもなる」と述べましたが、河北のボーナスカットの報道についていかがお考えでしょうか?
また、荻窪・衛生・佼成病院はボーナスカットなどの動きがあるのかについて、区は把握していないとのことですが、23億円もの区費を投入しておいて、「民間だから把握しない」というのはおかしいと思います。区長の見解を伺って私の質問を終わります。

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