杉並区議会第3回定例会で一般質問に立ちました(9/14)

9月14日、区議会で一般質問に立ちました。岸本区長2期目就任後初めての議会で、区長の政治姿勢を問いました。
高市政権は、12月にも「安保3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛整備計画)を改定します。その内容は、高市首相の肝いりで設置された「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」で議論されています。そこで言われている内容を一部紹介します。「現代戦の特徴は、第一線と後方地域を区別できないこと、軍事と非軍事の境がない軍民融合の時代が到来していることである。有事においては、必要に応じ、国内のどの場所においても、自衛隊と民間力が連携し、一体化して行動することが求められる」「国、地方公共団体、指定公共機関、民間組織、国民が一体となって活動するための、有事を想定した『国と社会の強靭性』を確立すべき」。ーーーこれはまさに国家総力戦体制であり、地方公共団体=自治体にその一角を担えと言っています。いまが改憲・戦争を止める正念場ですが、岸本区長は、私の質問のほとんどに答えず、「国の専管事項については回答しない」という立場をあらためて表明しました。引き続き、声を上げていきます。
以下、質問の原稿です。(実際の発言とは違う箇所もあります)
区長は2期目就任にあたっての所信表明で、「今、世界では戦争は止まず、平和は遠のき、暮らしと将来への不安が増しています。…自治体は、区民のいのちと暮らしを守る最前線であり続けなければなりません」と述べています。また、区長は8月6日の広島での平和記念式典に参列され、「世界各地で戦争や紛争が続き、核兵器による威嚇さえ現実のものとなっている今、自治体が核兵器のない世界と恒久平和を求め続けることの重要性を改めて強く感じました」とも述べています。そうであるならば、いま目の前で高市政権が具体的に進めている戦争政策に対して、真っ向から反対すべきです。区長はこの間、「国の専管事項については回答を控える」という答弁を繰り返していますが、先日の所信表明では、「自治体は…いのちと暮らしを守る最前線」であると強調しています。そうであるならば、「最前線」の自治体の責任者として、今こそ国に立ち向かうべきではないでしょうか。
そのためにはっきりさせたいことの一つは、現代の戦争の最大原因は、アメリカ帝国主義にあるということです。そのアメリカ帝国主義が中国を最大のターゲットにして、自ら構築してきた戦後世界体制をも破壊して、中国への侵略戦争―世界戦争に踏み込んでいます。
この戦争は、アメリカと中国が全面的に激突し、その最前線である「第1列島線」に位置する日本帝国主義が帝国主義国家としての存亡をかけて参戦し、欧州帝国主義国が「分け前」を求めて乗り込み、ロシアや北朝鮮を巻き込んでの第3次世界大戦として爆発していくことが不可避の戦争です。そしてこの戦争は、ウクライナ戦争の泥沼化、ガザ―パレスチナに対するジェノサイド、「不法移民」追放の米国内の戦争、ベネズエラ軍事攻撃とキューバへの石油遮断など中南米をアメリカの勢力圏とする「ドンロー主義」の発動、イランの体制転覆を狙う侵略戦争として、すでに一体的に、激しく進行しています。何よりも、日本本土―沖縄・南西諸島―台湾―フィリピンを結ぶ「第1列島線」での米日の軍事力強化、軍事力の実戦的展開として進んでいます。
そして、トランプの関税戦争も、中国への侵略戦争と一体です。トランプはカナダ産の乳製品やアルコール飲料などを対象に50%の追加関税を発動し、カナダから輸入する自動車の関税を来年1月1日から50%に引き上げると表明しました。五大湖の一つの「オンタリオ湖」を「アメリカ湖」に改称する大統領令に署名し、「あとは(アメリカ)海が必要だ。大西洋か太平洋の名前を変える」とも強弁しています。「米国第一」を振りかざして、他の帝国主義国に争闘戦を展開し、アメリカの戦争―中国侵略戦争に動員しようとしています。
さらにトランプは、2027会計年度の国防予算について、前年度比で4割増の1兆5千億㌦を計上しました。戦術核の使用を柱に据えた新たな核戦略の策定も進め、核兵器関連予算も274億㌦に上り、10年前からの3倍になっています。また、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォードなど自動車大手が第2次大戦以来の武器生産工場への転用へと動き出し、人工知能(AI)やドローンの開発・生産など「防衛テック」への巨額投資が国家を挙げて促進されています。世界戦争―核戦争へと行き着く過程が激しく進行しています。
9月24日の習近平訪米から11月アジア太平洋経済協力会議(APEC)での米中ロ首脳会談へと続く過程は、米中の「対話の進展」どころか、逆に戦争的激突が深まることは不可避です。
二つ目は、アメリカ帝国主義の中国侵略戦争に主体的積極的に参戦しようとしているのが、日本の高市政権だということです。
安保3文書改定を先取りするかのように、この8月に新たな防衛白書が出されました。900頁に及ぶものですが、その柱は軍用ドローンと、AI導入による「新しい戦い方」を確立することと、国家を挙げた軍需産業の支援・育成・強化などによる「少なくとも年単位の継戦能力の確保」です。小泉防衛相は、「世界一、無人アセットを駆使する組織(自衛隊と日本国家)」への変革をうたっています。つまり、米軍とともに中国侵略戦争を遂行し抜くために、国家のあり方を総力戦体制に叩き込もうとしているのです。
すでに日本の大資本は軍需生産にのめり込んでいます。横須賀にある日産の工場を米軍事企業が取得し、ドローン生産の拠点化が始まりました。川崎重工業はエアバスと軍用ドローン開発で提携し、東芝も軍用ドローン開発に乗り出すことを公表しました。楽天はドイツの企業と組んで攻撃型ドローンの自衛隊への納入をめざすと発表しました。
防衛省は8月、海上自衛隊呉基地近くの日鉄呉(日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区)跡地を取得しました。「複合防衛拠点」として無人機の製造・整備や兵器開発・生産の大拠点を築こうとしています。防衛省は過去最大の8兆9000億円の概算要求を計上しましたが、この安保3文書改定に基づく新たな事業は、軒並み金額を明示しない「事項要求」となっています。年末に閣議決定する27年度当初予算案では、防衛費は10兆円を超えると言われ、関連費も含めればさらに巨額となります。アメリカが要求する防衛費のGDP3・5%化を進めれば、約21兆円にもなります。
また、26年版防衛白書と一体で、小学生高学年・中学生・高校生用の『まるわかり!日本の防衛』が出されました。両方の表紙を見ていただければ明らかなように、軍事色を完全に消して、親しみやすさを強調したイラストが採用されています。先ほどの「有識者会議」では、「国民の安全保障リテラシー(正しく理解し活用する能力)を高めることが必要…中等・高等教育における安全保障教育の充実が必要」と言われています。戦争に子どもたちをはじめとする全人民を本気で動員しようとしているからです。
帝国主義という体制は、その危機と矛盾の激化を必ず侵略戦争、帝国主義間の戦争―世界戦争として爆発させます。市場、資源、労働力、植民地・勢力圏の独占、それらの分割・再分割をめぐる対立と争闘戦を絶えず繰り広げ、激化させるのが帝国主義段階の資本主義です。この帝国主義という「おおもと」をそのままにして、この「根っこ」を断たずして、どんな仕組みや秩序や「法の支配」なるものをつくっても、世界から戦争をなくすことは絶対に永久にできません。「平和的で民主的な帝国主義・資本主義」を求めるのではなく、戦争を不可避とする帝国主義体制を、労働者人民の力で打倒することが今こそ必要です。
三つ目に、日本がかつて「中国・アジアで一体何をやったのか」について今一度はっきりさせ、日本のアジア侵略の歴史を絶対にくり返さない立場を貫くことです。
第二回定例会で私が行った一般質問で、広島への中学生派遣に関し、「日本のアジア侵略の歴史が、広島への原爆投下に行き着いたことをはっきりと教えるべきではないか」という歴史認識に関する質問に区長は、「過去に我が国が戦争への道を歩んだことによって、国家や国民を存亡の危機に陥れた事実を謙虚に受け止め、未来に向けて事実を引き継ぐことが必要」と答弁しました。これは極めて抽象的であり一面的です。歴史認識における最大の問題は、国のため、天皇のためと言って、「日本がアジアで一体何をやったのか」ではないでしょうか。高市は、「日本の自存自衛のための戦争」「反省なんかしておりませんし、反省を求められるいわれもない」と居直り、中学・高校の歴史教科書から「従軍慰安婦」「強制連行」の語を削らせた張本人です。日の丸を打ち振って延々と侵略と虐殺を続け、多くの女性に戦時性奴隷を強制し、2千万人以上の命を奪った侵略戦争の事実をねじ曲げ、抹消し、「台湾有事は日本の存立危機事態」などと発言して中国を挑発し、戦争を引き起こそうとしている高市政権と真正面から闘うことが、今こそ求められています。
いま多くの人たちが高市政権の改憲・戦争への激しい危機感と怒りを持ち、さまざまな行動に立ち上がっています。この情勢の中で、自治労本部は改憲阻止の旗をおろす歴史的転向をしました。8月26~27日に開催された自治労の定期大会の場では、事前配布されなかった議案が急きょ提出されました。そこには、「自治労本部の考え方」として「自治労は改憲論議自体を否定しない」「自衛隊の憲法上の位置付けなどの国会での議論を踏まえ、責任ある憲法改正を深化」と明記され、これが大会最後に議案書「一括採択」で承認されました。自国政府の戦争政策=中国侵略戦争を支持し、改憲に労働者階級―自治体労働者を動員する立場の表明にほかなりません。こうして戦争は始まるのです。改憲情勢の中で国民投票が日程にのぼるとき、その実務を担うのは自治体労働者です。
かつての戦争は、日本の労働者人民が、日本帝国主義の侵略戦争を阻止する闘いに勝利しえず、侵略の担い手として総動員されました。この痛苦の歴史を二度と繰り返さない立場から、以下、7点質問します。
①高市首相が、8月15日の全国戦没者追悼式で「戦争の惨禍を二度と繰り返させない」と述べたことは、これまでの「(日本が)繰り返さない」としてきた歴代首相の言辞をひっくり返し、「中国の脅威」を煽って戦争に突き進む重大な踏み込みであると考えますが、区長の見解を伺います。
戦前の皇国史観を支えた国家神道(しんとう)の中心的施設が靖国神社です。軍人勅諭に「死は鴻毛(こうもう=鳥の羽)より軽し」とあるように、天皇を守るために兵士の命は鳥の羽よりも軽く、消耗品として扱ったにも関わらず、死んだら「英霊」「神」として祭り上げ、最高の栄誉を与え、中国・アジア人民を2千万人も虐殺した侵略戦争を「聖戦」「自衛戦争」と歪曲・美化し、新たな侵略戦争につなげるのが靖国神社の目的であり役割です。天皇と国家のために命を奪われたこと、侵略戦争の先兵として他民族人民を襲う人殺しの道具にされたこと、旧日本軍の6割の死因が餓死であったことに対する遺族の怒りと恨みを抑え込み、「英霊」「神」として祭るからありがたく思え、と逆転させるのが靖国神社です。
②高市首相が、追悼式典会場の日本武道館から靖国神社の方角に「遥拝」し、防衛相ら4人の閣僚を筆頭に89人もの国会議員が大挙して靖国神社を参拝したことについて、かつてのアジア侵略の歴史を美化し居直る行為であると思いますが、区長の見解を伺います。
③高市政権のもとで、安保三文書改定から来春の改憲発議が狙われていることについて、区長の見解を伺います。
④先の国会で皇室典範改定と、国旗損壊罪が制定されたことについて、区長の見解を伺います。
⑤今年度に自衛隊による個人情報の閲覧の対象となった若者の合計人数と年齢・男女別の内訳をお答えください。また、5年間で閲覧の対象となった合計人数と、入隊・入校した合計人数を伺います。
⑥防衛省発行の『まるわかり!日本の防衛 はじめての防衛白書』の区立学校での導入状況(配布・利用の実態)を伺います。
⑦最後に、オープンAIによるAI暴走事故報告書について区長の見解を伺います。杉並区の行政事業におけるAIの導入状況はどうなっているか。「防衛白書」では軍事行動の指揮にもあたるとされているが、区長の見解を伺って、質問を終わります。







