区立児童相談所設置に反対意見を述べました。(6/12)
議案第40号「児童相談所設置条例」への反対意見
一つは、児童相談所の最大の役割とされている児童虐待についてです。私は、虐待をなくすためには、人間が人間を支配する社会のあり方そのものを根本から変えるべきだと考えます。身体的虐待、育児放棄、性的虐待、心理的虐待は、なぜ引き起こされるのか。親の資質の問題だけでは、決して物事の本質を捉えることはできません。親が子どもを支配する。あるいは、父親が母親を経済的にも精神的にも支配し、抑圧し、そのすべての矛盾が子どもへの犠牲として集中する。立場の強いもの、力の強いものが、弱い相手を支配するという、本来の人間同士の関係性においてまったく転倒したあり方が、資本主義社会の中では溢れ返っています。根本原因は、私有財産制と家父長制です。
そして、資本主義社会のもとで、人間は生まれた時から本質的に「労働力商品」と見なされ、その「能力」が幼い頃からあらゆる場面で測定され、表面的には「子どもは社会の未来」「子どもの権利は尊重されるべき」などと言いながらも、実際には、激しい競争と自己責任論で覆われた社会によって尊厳を奪われています。それは、当然にも人間関係や親子関係にも影響します。果たして、資本主義社会の中で「真っ当な親子関係」なるものが形成されうるでしょうか。差別、抑圧を生み出しながら最大の人権破壊である戦争を不可避とする社会体制では、到底実現不可能です。
さらに、子どもを満足に食べさせられないほどの低賃金、子どもに向き合う余裕を奪うほどの労働強化・多忙化、とりわけ女性労働者の貧困の問題と直結しています。児童相談所設置によって、親を取り締まることのみが自己目的化され、問題の根っこの部分が曖昧にされることを危惧します。親の子どもへの支配をなくす道も、すべての子どもが人間らしく生きられる社会をつくる道も、私有財産制と家父長制を基礎として成り立つ資本主義・帝国主義体制の変革なくしてはありえないという立場から、児童相談所設置に関連する議案のすべてに反対します。
二つは、児相設置に伴う一時保護施設が事業委託によって運営する計画になっている点です。自治体の態勢整備がなされないうちに児相の移管がなされようとすることに問題の根源があると考えます。現場の労働者に過重な負担が強いられることにも強く反対します。
三つに、児童相談所設置のために阿佐谷南児童館が廃止されたことを曖昧にはできません。児童館が子どもたちにとってかけがえのない存在であることは言うまでもありません。保護者でもない、学校の先生でもない大人との関わりを形成できる場でもある児童館は、子どもたちの育ちを地域社会で支える貴重な居場所です。児童館は、日常的な見守りと気軽に相談できる環境によって、児童虐待の早期発見においても非常に重要な役割を果たしていると言われています。廃止された児童館の復活を求める立場からも、阿佐谷南児童館の廃止に伴う児相設置を認めることができません。
以上の理由から、議案第40号に反対します。







