杉並区議会第二回定例会で一般質問に立ちました。(5月27日)

【1】区長の政治姿勢について

(1)平和推進事業と広島平和学習中学生派遣事業について

米大統領・トランプは、中国侵略戦争・世界戦争の一環としてのイラン侵略戦争を継続しながら、巨大テック企業トップなど資本家中枢を丸ごと引き連れ北京に乗り込み、米中首脳会談を行いました。

イスラエルによるパレスチナ人民大虐殺を全面的に支援し続け、ベネズエラ、レバノン、そしてイランへの侵略戦争を激化させているトランプと、そのトランプを「尊敬する大統領」などと呼び、「熱烈歓迎」した中国スターリン主義・習近平。両者が互いに欺き合いながら、台湾、イラン、そして経済・貿易をめぐって「取引」「駆け引き」を繰り広げる腐り切った姿は、全世界の労働者人民に、帝国主義とスターリン主義こそ打倒すべき敵であることを示しました。

アメリカ帝国主義は、世界支配を続けるためには、今のうちに中国を潰すしかないと決断し、中南米、西半球、中東・イランから中国を叩き出す戦争を開始し、台湾に史上最高の武器売却を行うとしています。そして、中国・台湾と直接接する日本に大軍拡を要求し、日米を軸とする「第1列島線」での中国軍との戦争を想定した実戦的多国間演習を繰り返しています。

労働者人民の生活と命をとことん犠牲にして、体制の危機をのりきろうとしているのは米日帝国主義も、中国スターリン主義も同じです。中国スターリン主義は、「社会主義」「共産主義」を名乗りながら、世界革命を放棄し、むしろ帝国主義と共存し、利用し合い、帝国主義との軍事対抗と政治的取り引きで世界戦争を促進する「共犯者」です。アメリカ、日本の労働者人民が帝国主義体制を打倒し、中国人民がスターリン主義体制を打倒する。こうした世界革命の闘いのみが、今始まっている中国侵略戦争、帝国主義とスターリン主義の世界戦争・核戦争を阻止しうる唯一の道です。

何よりも、日本において、闘う中国人民、アジア人民と連帯し、日本帝国主義の中国侵略戦争を阻止する反戦闘争を巨大な規模で爆発させることが求められています。それは、帝国主義のもとでの「平和」を要求するものではありません。帝国主義は帝国主義である限り、市場・資源・勢力圏をめぐって必ず侵略戦争―世界戦争を引き起こすことは歴史が証明しています。アジア唯一の帝国主義国=日本は、かつて中国―アジア侵略戦争で2千万人を虐殺し、戦後の朝鮮戦争特需で「復興」して成り上がり、アメリカ帝国主義と日米安保軍事同盟を結んで一貫して侵略戦争に加担し続けてきました。アジア・中東人民の血と犠牲の上に成り立つ日本の「平和」や「秩序」などは、守るべきものでは断じてありません。

米中首脳会談後、高市首相はただちにトランプと連絡を取り合い、日米安保同盟の強化、安保3文書の改定、沖縄・全土の基地強化・要塞化・演習の激化、そして改憲へと突進しています。これらに明確に反対することぬきに、「平和事業」など空語です。区長は、「国の専管事項にはお答えできない」と言いながら、区内の若者の個人情報を自衛隊に提供して募集に協力し、入隊予定者の激励会にまで出席しています。さらには、原発汚染水の海洋放出を安全だとする教育を小中学校で推進しました。

【質問①】区は、「平和事業の推進に向けて、広く区民から意見を聞き、区の平和施策の参考とするために、『仮称・杉並区平和施策に関する区民懇談会』を設置する」としていますが、今必要なことは、区民の意見を広く聞くよりも、まずは杉並区(岸本区長)自身が、現在目の前で、「台湾有事」と称して米日政府が中国への侵略戦争を開始していることに明確な意思表示をすべきと考えますが区長の見解を伺います。

日本は「平和国家」でもなければ「中立国」でもありません。イラン侵略戦争について、「中東情勢」などとまるで自然災害のような物言いで、客観的・第三者的・被害者的視点に終始する論調が溢れ返っています。また、帝国主義の石油強奪のために他ならぬこの日本から飛び立った米軍によってイランの子どもたちの頭上に爆弾が落とされ虐殺されている事実を全く問題にせずに、「平和」をかたること自体が許しがたい欺瞞です。

杉並をはじめ東京には多くのイラン人が暮らしていますが、私は、在日イラン人とともにイラン侵略戦争反対の声を上げ、行動してきました。トランプ政権はさらにイラン侵略戦争をエスカレートさせ、高市政権はこれに協力し、自衛隊派兵を狙っています。「石器時代に戻す」「文明を破壊する」などというアメリカ帝国主義・トランプとともに、日本が石油のためにイランに対する侵略と虐殺に加担することに絶対反対です。

【質問②】イラン侵略戦争は、横須賀、沖縄、岩国などの在日米軍基地から出撃しています。すでに日本が深々と関与し、加担し、参戦国となっていることについて、自治体の首長こそが声を上げるべきと考えますが、区長の見解を伺います。

今年3月16日に辺野古沖で高校生を乗せた船舶2隻が転覆し、高校生と船長の2人が亡くなった痛ましい事故を受け、政府は「辺野古研修は教育基本法違反」という教育への介入を狙っています。私は、沖縄の反戦・反基地をターゲットにした改悪教育基本法の発動、「平和教育」禁圧の攻撃には絶対反対です。

その上で、杉並区が行なっている平和学習中学生派遣事業は、かつての戦争の責任を曖昧にし、イスラエルやアメリカの代表も出席した広島平和記念式典に中学生を参列させ、戦争を美化する大和ミュージアムを見学するなど、平和教育とは名ばかりです。

【質問③】訪問先は、22年から3年連続で広島、昨年は長崎、そして今年は広島とのことですが、今年の平和学習中学生派遣事業の行程の詳細と、7月に2回予定されている事前学習の内容を伺います。

【質問④】日本のアジア侵略の歴史が、広島への原爆投下に行き着いたことをはっきりと教えるべきと思いますが、区長の見解を伺います。

【質問⑤】高市政権は、アメリカの中国侵略戦争―世界戦争の開始に対して、沖縄―日本全土の軍事要塞化・出撃基地化、安保3文書改定、改憲をもって全力で対応し、中国侵略戦争の「先頭」に立つことに帝国主義国家としての存亡をかけています。区長は、高市政権の安保3文書の改定や、来春にも改憲発議が狙われていることについて、それぞれどのようにお考えか? 自治体の首長として、明確に反対の意思を示すべきだと思いますが、見解を伺います。

【質問⑥】「国の専管事項についてはお答えしない」という区長の姿勢は、あらためるべきと考えますが、見解を伺います。

(2)自衛官募集事務について

【質問①】今年3月26日、岐阜県岐阜市在住の当時の高校3年生が、同市と国を相手取って国家賠償請求訴訟を岐阜地方裁判所に提起しました。原告は、岐阜市が防衛省・自衛隊からの求めに応じ、18歳を迎える市民の個人情報を本人の同意なく提供し、それを基に自衛隊が入隊勧誘のダイレクトメールを送付したことが、憲法13条で保障されたプライバシー権の侵害にあたること等を主張しています。(自衛官募集のために自治体から自衛隊へ個人情報を提供することに関する訴訟は、2024年3月に奈良地裁に提起されたものに次いで2件目です)。さらに、北海道弁護士連合会が今年3月26日、「自衛隊への個人情報提供に関する意見書」を公表し、自治体に対して、個人情報の提供について、個別に本人の同意を得ることなく行わないよう求めました。このように、自治体の自衛官募集事務に様々な形で声が上がっていることについて、区長の見解を伺います。

【質問②】今年3月に庁内で行われた入隊・入校予定者激励会の出席者を伺います。区長は今年も挨拶を述べたのか。述べたのであれば、どのような発言をしたのか。お答えください。

【質問③】今年3月24日、現役の幹部自衛官(3等陸尉)が東京都港区の中国大使館に侵入し、駐日中国大使への襲撃を狙うという衝撃的な事件が起きました。区長の見解を伺います。

【質問④】区は、自衛官募集事務をやめるべきと考えるが、区長の見解を伺う。

【2】岸本区政4年間の総括について

 岸本区長就任から4年を迎えます。私は、前区政時代の2019年4月に区議会議員になり、再開発や道路拡幅、児童館・ゆうゆう館潰し、保育園の民営化、自治体業務の民間委託、指定管理制度導入などに反対してきました。区長が誰であってもそのスタンスは変わることはありません。その立場から、岸本区長が掲げる「対話の区政」について、一言申し上げます。

 岸本区長の「対話」は、「対話」そのものではなく、「区民と対話した」かのような仮象をつくり出していくことに主眼があります。しかし、最も重要な問題は、「対話」したうえで何が決まったのか?にあるのではないでしょうか? 岸本区政において、「対話」した上で方針が覆ったり、根本的に転換された例はただの一つもありません。この事実が、「対話の区政」なるものが、前区長から引き継いだ方針を区民に押しつけるためだけの「セレモニー」であったことを示しています。2001~06年の小泉政権下での悪名高き「タウンミーティング」の二番煎じです。やらせ、反対派排除など、何でもありだった官製「対話」の茶番の繰り返しを私は絶対に認めません。

 阿佐ヶ谷再開発は進めます、児童館は元の数に戻しません、道路拡幅も地下調節池工事も容認し、民営化も進めます、指定管理者制度は施設運営パートナーズ制度と呼び方を変えれば問題なし等々。こうした裏切りを「対話」で誤魔化し、その責任をうやむやにして、結論だけは絶対に変わらない。多くの住民が疑問を抱き、公約違反とそれを「よりよく決めるためのプロセスだ」などと格好つけて居直る姿勢に怒っています。

質問の最後に、以下、4つのテーマを伺います。

(1)児童館について

【質問①】「8陳情 第4号」=「桃井第三小学校地域の子どもたちのための児童館早期復活(再整備)を求める陳情」の趣旨採択を受けて、区ではどのような検討を行なっているか。

【質問②】児童館が廃止された地域の子どもたちの放課後の過ごし方の実態について、杉並区が責任を持って調査すべきと考えるがいかがか。

【質問③】中学校区ではなく、小学校区ごとに児童館が求められていると考えるが、区長の見解を伺う。

【質問④】水道事業の再公営化についての研究は区長個人としてのライフワークと思うが、その論理と児童館統廃合、委託事業者による学童クラブの運営など、矛盾を感じないのか? 区長の見解を伺う。

(2)阿佐ヶ谷駅北東地区について

【質問①】阿佐ヶ谷北東地区再開発など、結局は前区長時代の事業を踏襲する事態に陥っていると思うが、区長の見解を伺います。いまも多くの住民が反対しているのは、再開発が住民のためのものではなく、屋敷林が潰され、杉一小の子どもたちが病院跡地に追いやられ、杉一小移転後にその土地に何ができるかも発表されていない計画だからです。

【質問②】河北医療財団とけやき屋敷の地主のみが利益を得て、杉一小がマイナスを押しつけられているように思うが、区長の見解は?

【質問③】いまや再開発事業を推進した区の元幹部職員が医療財団の顧問に座り、旧河北病院の解体現場の壁には、前区長の選挙ポスターがベタベタ貼ってあるような現状です。どこが区民と地域のための再開発か。区長の見解を伺う。

(3)会計年度任用職員制度について

【質問①】今年度の職員数を伺う。常勤職員は何人か。会計年度任用職員は何人か。それぞれの男女比(%)と、年代別の人数と割合(%)も伺う。

【質問②】自治体全体を見ても会計年度任用職員は110万人を超え、4分の3が女性です。杉並区男女共同参画行動計画には、女性の管理職を増やすことが目標に掲げられていますが、まずは職員全体の4割にのぼる会計年度任用職員(そのおよそ9割が女性)の希望する全員を正規で雇うべきではないのか。区長の見解を伺う。

 SDGsの「ジェンダー平等」は、「ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う」とあります。おそらく、真面目に熱心に取り組んでいる人たちは、真剣に女性差別をなくそう、あらゆる差別をなくそうという思いで活動している人たちも多くいらっしゃると思います。しかしながら、「ジェンダー平等」の最終目的は「能力強化」ということから分かるように、女性管理職が増え、男女の賃金格差が仮になくなったとしても、資本主義社会の下での賃金奴隷という女性労働者の「能力」は高められるかもしれませんが、賃金奴隷からの解放、差別・抑圧からの解放にはなりえません。区長が処遇改善をいくら重ねても、会計年度任用職員制度そのものを維持し、推進していることによって、およそ9割を占める女性労働者が、低賃金で常勤並みの責任を押し付けられ、育児や介護を抱えながら、二つも三つも仕事をかけもちしなければ生きられない現実を固定化していることに変わりはありません。

 会計年度任用職員の多くが、保健福祉部、子ども家庭部、教育委員会に集中しています。女性労働者を「雇用の調整弁」としているあり方は岸本区長も同様であり、あらためて会計年度任用職員制度に強く反対します。また、女性管理職を増やすことについても、先に述べたように数多くの事業が、前区政を踏襲して進められている現実や、職員数の4割を占める会計年度任用職員、その9割が女性であるという現実を脇に置いて、女性労働者を能力で分断し、さらに競争を煽り、男性管理職に代わって女性管理職が担う領域が増えればそれでよしとする「ジェンダー平等」は、女性差別をなくすものでもなければ、女性の解放を実現するものでもまったくありません。

(4)保育園について

【質問①】今年度から本格実施の「誰でも通園制度」の利用状況を伺います。従来の保育業務に加え、不特定多数の乳幼児を短時間受け入れることについて、「ギリギリの人員配置で対応しているが限界」との声が多数寄せられています。数時間単位のスポット利用では子どもが環境に慣れにくく、泣き続ける場合の丁寧な対応や、アレルギー・発達への配慮など、安全管理に対する負担が非常に大きいからです。また、国のシステム入力や複雑な利用者の管理など、保育以外のデスクワークが増加していることも指摘されています。自宅で子育てをしている保護者と子どもの支援は必要ですが、保育園とは別の場所、別の人員配置で行うべきです。

【質問②】誰でも通園制度に端的なように、「住民サービス」を旗印とする国や都の政策をそのまま請け負うという実態があると思います。まずは保育労働者の声を聞き、労働条件の根本的な改善から始めるべきと思いますが、区長の見解を伺って質問を終わります。

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